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ヘンリー8世のハネムーン - チューダー・コスチューム・イベント -1-

土曜日のチューダー・コスチューム・イベントの写真中、約半分のポストプロセスが出来てきたので展覧しよう。

チューダー朝というのは、イギリスで言うところのルネッサンス時代。
中世のプランタジネット朝最後の王リチャード2世は、対仏百年戦争の後、ランカスター家のヘンリー4世によって廃位させられる。そのランカスター家も、ヨーク家との王位争奪抗争からバラ戦争を招き、国は荒廃する。
やがて、不毛な抗争に両家ともに消耗し、ランカスター家の血を引くヘンリー7世が即位、ヨーク家のエリザベスとの婚姻で両家が合体し、1485年チューダー朝が始まる。というのが、チューダー朝にいたるまでの、とても大雑把な歴史。

歴史の話より、まずはヴィジュアル。

Tudor Queen - Jane Seymour
Queen - Jane Seymour (女王 ジェーン・シーモア
この写真は、自分でもよく撮れたと思う・・・。
かなり近距離で撮れて、ちょうどカメラに向いてにっこり微笑んでくれた。
ポストプロセスなしでもO.K.の写真だったが、やはり絵画風に仕上げたくてテクスチャーをかける。

上のイメージでジェーン・シーモアのかぶっている「被り物」、まるで「角隠し黒ヴァージョン」に見えるが、初期チューダー朝コスチュームの典型Gable(ゲイブル)。ゲイブルの本来の意味は建築でいうところの「切り妻」。
確かに切り妻屋根の形をしている・・・。この黒い部分は、後ろに垂れ下がっている2枚の布飾りで、普段は後ろに垂れたままにしていることが多い。彼女の場合、有名なホルバインの肖像画に準じて巻き上げているのだろう。

Jane Seymour
Jane Seymour by Hans Holbein 撮影:lnor19@Flickr
これがイメージ・ソース。最も有名なジェーン・シーモアの肖像画。

King and Queen
ヘンリー8世とジェーン・シーモア
後ろにいる観客の首を(そして足を)Photoshopでちょん切るのはたいそう手間がかかる作業(笑)

イベントの設定では、彼女は妊娠中ということになっている。史実でもヘンリー8世の唯一の嫡男・エドワード王子(エドワード6世)はジェーン・シーモアが生んでいる。しかし、この結果産褥熱であっけなくジェーン・シーモアは亡くなってしまう。嫡男王子を産んだということもあるが、ヘンリー8世は実は彼女だけを愛していたのではないか?とも言われている。
そのエドワード6世も父王の死後、王位を9歳で継ぐが、6年後夭逝。そして、ちょっとした内紛の後、エリサベス1世の即位となる。 あぁ、また余計な歴史話・・・。

歴史話より、雑学。この王様のコスチュームを見て「!!??」と思われた方もあろうかと・・・股間の話。
チューダー・コスチュームを見慣れていないと、紳士方の股間の「コッドピース」に目がいって仕方がない・・・ことと思う。冗談でも卑猥でもなく真面目な話、歴史的にこんなものが流行っていたのだからどうしようもない・・・。誰が流行らせたのかは不明(私は個人的に、マッチョイズムの塊、ヘンリー8世が犯人だと見ている)、そして、なぜ「コッドピース」と呼ばれるかは知らない(また調べてみるが・・・)。できれば気にかけずスルーしていただきたい(笑)。

King and Queen
王と女王とその一行

これはハンプトンコート・パレスの「裏口」。
ハンプトン・コート・パレスは奇妙な造りで、正面が赤レンガの16世紀チューダー様式。そして裏の、テムズ川に連なる庭園に面したウィングは「新王宮」と呼ばれる、17世紀のバロック様式。
これは、ウィリアム3世とメアリー女王が「古臭い」チューダー様式の宮殿を嫌って、「トレンディ」に改築したため起きたもの。「裏口」と私は呼んでいるが、これはその「新王宮」側から庭園に出て行く出入口。白いスタッコ(漆喰)の柱に天井は、ヘンリー8世に時代にはありえない・・・。
ともあれ、これから一同は庭園をぬけて、テムズ川に向かう。テムズ川からさかのぼってくるフランス大使と神聖ローマ帝国(ドイツ)大使を、川辺でお出迎え。そのシーンはまだポストプロセスしていないので、第二部で・・・。

King and Queen
王と女王。
やわらかにイエロー/ブルーのクロスプロセスをかけて、ノスタルジックに。
つかの間の・・・幸福そうな二人。

King Henry VIII
今年のヘンリー君。ブルー系にトーンを落として。

「今年の」というのには理由がある。ハンプトンコート・パレスではこのようなコスチューム・イベントが年に1-2回催される。契約あるいは専属の俳優・女優さんが演じるのだが、何度も訪れていると、だんだん顔を覚えてくる。去年のヘンリー君は、今年は護衛兵の役で後ほど出てくる。

Political Tudor people
王の側近、某かの役なのだが・・・、それを覚えているほど歴史には詳しくない・・。
チューダー政界人ということにしておく。
彼はどうやらパレス専属の俳優、あるいは兼プロデューサーかもしれない。
いつも司会・進行役を兼ねていて、多才の上に、とてもいい味を出している。

Political Tudor people
同様、チューダー政界人達。
後ろの人物は、王のカトリック離脱―英国国教会設置に最後まで抵抗して獄死した知識人、
トマス・モアのような気がするが・・・史実と時代的には合っていない。
まあ、エンターティメントなので、多少の時代誤差は無視ということ。

Un-political Tudor Jester
ノン・ポリ(政治は抜き)の道化師。
彼は唯一の道化師役者で毎年大活躍。

Tudor Guard
護衛兵。
そう、彼が去年のヘンリー君。王様ぶりがよく似合ってたのだが・・・。
護衛兵でも、やくざの親分的なるいかつさを発揮(この人、尋常でなくでかい声が出せる俳優)。

Tudor Guard
若き護衛兵。こちらはなかなかのイケメン君。

Tudor Lady
最後は愛らしいチューダー・ガール。

どうしても、コスチュームの「オタク」ねたを書かずにはおれない・・・。
この彼女の被っている「被り物」は、ゲイブルではなくフレンチ・スタイルと呼ばれるもの。
形が柔らかで、重苦しい感じがない。これは、ヘンリー8世の2度目の妃、アン・ブーリンが持ち込んだもの、と言われている。(彼女は新興富裕階級の純粋なイギリス人だが、フランスで教育を受け、ヘンリー8世の最初の妃キャサリン・オブ・アラゴンの侍女を務める以前はフランス宮廷に仕えていた。)

Anne Boleyn
Anne Boleyn 撮影:lnor19@Flickr
アン・ブーリンのフレンチ・フッド

この後、エリザベス1世の時代にはこういった「被り物」はどんどん小さくなり、ヘア・バンドや髪飾り状のものになっていく。

明日は、またジュエリー。新しいラインの作品を展覧しよう。
イベントの続きはそのまた後に・・・。
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新作情報 - Kotomiジュエリー 2010 秋冬コレクション -2-

先日、糸通し加工から引き上げてきた新作の撮影が済んだ。スモーキー・クオーツ使いとアゲート使いの大型ペンダント、そして、シンプルなロングネックレス。
これで、秋冬コレクションの立ち上げ分はほぼ完了。あとは、売れ行きを見ながら、随時追加分を作り足していく。

N-1317, N-1318
N-1317, N-1318
センター:スモーキークオーツ、フューズドグラス、ビンテージ・スワロフスキー

N-1322, N-1323
N-1322, N-1323 センター:スモーキークオーツ、チェコ・クリスタルストーン

N-1324, N-1325
N-1324, N-1325 センター:スモーキークオーツ、チェコ・クリスタルストーン

N-1328, N-1329
N-1328, N-1329  センター:スモーキークオーツ, ヒューズドグラス、淡水パール

N-1331
N-1331 センター:アゲート、ヒューズドグラス、チェコ・クリスタルストーン

P-3165-71, N-1337-45, N-1346-53
P-3165-71, N-1337-45, N-1346-53 ジャスパー、グリーンガーネット

N-1369-76, N-1377-87, BL-1597-1602
N-1369-76, N-1377-87, BL-1597-1602 フローライト、淡水パール

P-3172-82, BL-1603-10, P-3183-95, P-3196-3204
P-3172-82, BL-1603-10, P-3183-95, P-3196-3204
スモーキークオーツ、淡水パールのブレスレットと、イヤリング



秋冬コレクション全イメージは、このFlickr setで展示 : Autumn/ Winter Collection 2010
(右側のサムネイル・イメージをクリックするとページが開くシステム)

秋にはまだずいぶん早いが・・・"September Song" Ian McCullochのヴァージョンで・・・。

These golden days....




*ハンプトンコート・パレスのイヴェントは、天候もよく大盛況。観客が多いと・・・写真のポストプロセスの量が増大(笑)。またもや、連写も入って1400枚撮影。ここから使えないものをバシバシ消去して、500枚程度まで絞り込んだところ。今日はこれからポストプロセスで遊ぶ。
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リドリー・スコット監督新作映画「ロビン・フッド」

私の周りの友人たちは「また、あの話か・・・。」と思うことだろうが、そう、標本箱にはまだ入っていなかったので、詰めさせてもらう。

先日は、中世ヨーロッパのジュエリーに関して書いた。少しはそれに関連してなのだが、中世も中世、一番私には親しみのあるプランタジネット王朝のアクション時代劇、リドリー・スコット(Ridley Scott)監督の「ロビン・フッド(Robin Hood)」に、Kotomiジュエリーが約2分程度映っている・・・。 (参:Wikipedia Japan: ロビン・フッド

K Jewellery Robin Hood

ジョン王の、この設定ではまだ愛人であった、イザベラ・デュ・アンギュレーム(リア・シデュー演)が、王室のシーンで着けている。このいきさつを今日は書いてみよう。

このトレイラーで一瞬映る。お見逃しなく・・・。(トレイラーは3種あるようだが、この王室のシーンが映るのは、このトレイラーだけ。)



話は去年の2月中ごろにさかのぼる。
私が出先から帰宅すると、配偶者氏がなにやらエキサイトしている。
「早く・・・ここに電話して!!Shepperton Studio!! 映画の撮影用にジュエリーを探してるんだってさ!!」
最初は意味がよく解らなかったが、Shepprton Studio(シェパートン・スタジオ)が昔から数々のイギリス映画を生み出してきた撮影所だ、ということぐらいは知っている。どうやら、そこの中の「メリー・メン・フィルムス」(ロビンフッド伝説の「愉快な仲間達」から採られている)という部門が、2010年公開予定のリドリー・スコット監督の新作映画ロビン・フッドの撮影準備中で、中世風・ビザンティン風のジュエリーを探している、という話。
それなら・・・私のジュエリーではないか。その上、近頃はあまり映画も見ない私の、数少ない「お気に入り」の監督がリドリー・スコット。(ストーリー性とか、ドラマを追うことより、美術、コスチューム、小物、ライティング、映像加工しか見ていない私が、映画を語るのは全くおこがましいのでやめておく・・・。)
即、電話を返し、さっそくその翌日には買い付け担当のEさんがアトリエにやってきた。

彼女たちは衣装部ではなく小物部で、当初の予定では、ロビン・フッドが悪役領主から奪ってきた宝箱を開けると、その中にはあふれんばかりのジュエリー・・・というシーンの、あふれんばかりのジュエリーを探しているのだった。
いまどきのこととて、「中世ジュエリー」や「ビザンティン・ジュエリー」をキーワードにNet検索。最初にたどり着いた、イメージに合ったジュエラーはしかし、ギリシャ在住で、それもゴールドと貴石を使った高価なもの。いかにユニヴァーサル・スタジオがバックに就いているとはいえ、「あふれんばかり」の量は購入できない。
次に、たどり着いたのが私で、どうやらイギリス在住で・・・どうやらロンドン郊外で・・・それもシェパートン・スタジオからほんの数マイルのサービトンにいる!!と解って、先方は先方で大いにエキサイトしていたらしい。
その上、私のジュエリーはゴールド・ジュエリーに比べると格安でボリュームもあって「あふれんばかり」のジュエリーには最適。

まず、私の見せた大型のペンダントを約30アイテムほどを写真に撮って、うち2-3点を実サンプルとして購入。
「一両日中には、上司と打ち合わせして、どれを買うか追って知らせる」という話で、Eさんが帰っていったのがお昼ごろ。ところが、3時過ぎに電話があり「上司に見せた結果、30アイテムすべて買い取るので、大至急請求書を起こして欲しい。」・・・これは、もう、嬉しい驚き。

They are all going for filming!! 25/02/09
第一回お買い上げのジュエリーたち。
下の真ん中、大きなグリーンのペンダントが映画で映ったもの。


3月に入ってから、再びEさんから連絡があり「まだ足りない!!」 追加でもう10点ほどお買い上げ。

Robin Hood wants more booty!! 06/03/09
第二回お買い上げのジュエリー達


その後、5月から撮影に入ったとは聞いていたが、一納入業者とて、ひとたび納品すればそれで話は終わり、あとは、運次第。途中、親切なEさんから経過が知らされ「お宝箱」のシーンは残念ながらボツ。その代わり、ジョン王と愛人のベッドシーンの、ベッドの横のチェストの上に並ぶとか・・・、フランス王フィリップ2世が着けるとか・・・話は二転三転。
映画の撮影にストーリーの変更はつき物。運よくカメラに収まっても、最終編集で生きのこるとは限らない。「映画に採用された」といくら言っても、公開編で映っていなければ・・・これはもうまったく話にならない。あまり、期待はしていなかった。

話が再びエキサイトし始めたのは、今年の4月。「ロビン・フッド」5月公開のニュースが届いて、トレーラーがNetにかかり始めた頃。
第一トレイラーでは、何も映ってはいない「ま、そんなもんさ。」
その、一週間後に、第二・第三トレイラーがNetにかかっていた。それが上のトレイラー。「映ったーっ!!」

Robin Hood Day!! 12/05/10
5月12日イギリス公開初日の初上映に駆けつける。
ロンドン、レスター・スクエアのエンパイア・シネマ


映っていることは確かなのだが、果たしてどれぐらい?他にも映っているのか? 私も一緒に行った友人も、かなりハイ気味。

結果は・・・上記のシーンのみで、2-3回カメラがスパンしてイザベラ・デュ・アンギュレームを映し、トータル2分弱。
友人は、もう一シーン、王室随員役のエキストラ男優がクロスのペンダントを着けていたように思う・・・と言うが、これはもうDVDになってからでないと確認のしようがない。

映画の内容の方はどうかというと、確かにアクション・エンターティメントとしてはよくできているし、いつもながら、質感のあるリアルな美術、カメラーワークも決まっているが、昨今のトレンドだろう、各シーンが短すぎて私のような中年にはめまぐるしすぎる・・・。「グラディエーター」の緊迫感や「ブレード・ランナー」の映像美には及ばない。時代が変わっただけかもしれないが・・・。

日本公開は、今年の秋とか12月とか聞くが、実際のスケジュールは知らない。
もしKotomiジュエリー、2分のハリウッド映画出演にご興味があれば、ぜひご覧ください(笑)。


*今日はこれから、再びHampton Court Palace (ハンプトン・コート・パレス)にカメラを提げて出かける。
Henry's Honeymoon(ヘンリー8世のハネムーン)というコスチューム・イベントの見物。
ご存知のように、ヘンリー8世は6人妻を「使い捨てた」ので有名なチューダー朝の王様だが、今回のイベントは3人目の妻・Jane Seymour(ジェーン・シーモア)のお披露目という設定になっている。
なにしろ夏休み始まったばかりで、観光客でごった返すイベントとて、どんな写真が撮れるかわからない。
まぁ、エンジョイあるのみ。いい写真が取れたら、また標本箱に詰め込むことにする。
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中世ヨーロッパ・私的幻視 - ジュエリー 

「中世・ビザンティン風のジュエリー」と自分の製作内容を伝えている。
イギリス人にはなんとなく「あんな感じね」と、おぼろげに想像はついているようだが、日本人には「はぁー」と、まずその中80%は疑問符で出来た反応が返ってくる。
日本に置き換えるなら、さしずめ「平安末期から鎌倉期の装束から発想を得た・・・」などというような、かなり限定した話をしていることになるのだろう。
実は、欧米人とて、そのイメージは一定してはいない。ディズニーの「白雪姫」などは一般アメリカ人の抱く「中世」イメージの典型。さすがに、ヨーロッパ人は日常生活の周りに、いまだに城あり、廃墟あり、中世展示物収蔵の博物館ありのため、もう少し歴史的リアリティーを持ったヴィジョンが浮かんでいるようだが、それとて、本人の興味の範囲次第ということになる。
つまり言葉で伝達するイメージというものは、所詮各人の「幻視」をもたらしているに過ぎない・・・と、言いたかったのだ。

前置きが長くなってしまった。今日は、私の中の「中世」のイメージの展覧の第一回目。
すべては出し切れないし、今後も増殖していくジャンルなので、まずはジュエリーを中心に。
(ビザンティン?これは、もーっと長い話なので・・・また後日・・・笑)

私の中で「中世」というと、おおよそ12-14世紀の北フランスからイングランド(この頃はイギリスとフランスの区分は曖昧)が「守備範囲」。ウイリィアム征服王からプランタジネット朝にかけて。 ご心配なく、ここでは世界史の講義は、なし(笑)。ヴィジュアルに入ろう。

Votive cross and inscription- Spain, 12c
Votive cross and inscription- Spain, 12c パリ・クリュニー中世博物館所蔵
中世ヨーロッパのジュエリーのイメージの典型。
出だしから私のジェリーのイメージ・ソースが、あからさまに知れわたってしまう・・・。
これは身に付けるものというより、実際は聖像の上を飾る天蓋の装飾物の一部。

The Sion Gospels
The Sion Gospels V&A 中世・ルネッサンス室 所蔵
リモージュ・エナメル製の飾り板と中の写本は11世紀初頭のもの。
この豪華な装丁に仕上げられたのが12世紀末期。
神聖ローマ帝国シャルルマーニュ大帝から教会への贈呈品と伝承されていたが、実際にはもっと後年のものだった。

ゴールドのベイゼル・セッティングで、カボションの貴石を留めつけているのが中世のジュエリーの典型。(まだ、石をカットする技術は発達していなかった。)


Cross- reliquary - detail collage, Limousin, 13c
Cross- reliquary - detail collage, Limousin, 13c パリ・クリュニー中世博物館所蔵
聖遺物を納めるための十字架。デティールのコラージュ。

Bruges - St. Saviour's Cathedral, detail of the casket
Bruges - St. Saviour's Cathedral, detail of the casket 
ブリュージュ、聖救済者聖堂(と、訳してしまっていいものか?)所蔵のカスケット。
詳細を記録していないのだが、見た目から、19世紀中期のゴシック・リヴァイヴァルだろうか?
中世風をよく再現しているが、中世期に作られたものにしては、技術が発達しすぎているようだ。
後期中世ということはあり得る・・・。

中世ヨーロッパは、教会が皇帝や王侯にもまして、権勢を誇っていた時代。すべての美はまず神と教会を讃えるがために発達した。貴金属工芸の技術とて同様「まず神ありき」。そして、宗教戦争等で破壊されない限り、教会内の「お宝」は保蔵状態がよいため、より多く現代まで残っている。
これら教会関連の工芸品は、王侯貴族個人が着けていたであろうジュエリーを類推する上で、重要な資料なのだ。

Clasp-reliquary Eagle - Bohemian, mid 14c
Clasp-reliquary Eagle - Bohemian, mid 14c パリ・クリュニー中世博物館所蔵
現存する中世ジュエリーの最高傑作の一つ。ボヘミア製、14世紀中ごろなので、中世といっても末期の頃。
聖職者の重いガウンを正面で留める、クラスプとかモース(Morse)と呼ばれる、大型のブローチのようなもの。
中世絵画の大天使たちも必ずステキなものを着けている。

Clasp, 14c
Clasp, 14c パリ・クリュニー中世博物館所蔵
14世紀製の同じくクラスプ。

Portable reliquary - about 1220-30
Portable reliquary - about 1220-30 パリ・クリュニー中世博物館所蔵
携帯用聖遺物容器ということだが、形状からやはり聖職者のクラスプとして使われたのではないか?
と、根拠はないが思う。

Lovers' brooch
Lovers' brooch England about 1200-1300 大英博物館所蔵
恋人たちのブローチと呼ばれている。

Reliquary pendant
Reliquary pendant Probably Scotland about 1200 大英博物館所蔵
聖遺物を収めたペンダント。
レンズ状に水晶が磨きだされている。

The Glenlyon Brooch
The Glenlyon Brooch about 1500-30 Scotland 大英博物館所蔵
時代的には16世紀に入ってから作られているが、中世的技法の伝統に則った構成。

The Lady and the Unicorn - detail collage
The Lady and the Unicorn - detail collage パリ・クリュニー中世博物館所蔵
「貴婦人と一角獣」と題されたタペストリーのシリーズより、貴婦人たちの着けるジュエリーにフォーカスしてみた。

The Annunciation
The Annunciation about 1500 ロンドン博物館所蔵
中世絵画「受胎告知」の大天使ガブリエル。
彼はさぞかし素晴らしいクラスプ・コレクションを誇っているに違いない・・・。



ざっと、わかりやすい例を博物館写真の中から引き出してみた。
そこで・・・こういった中世ジュエリーの影響を一番受けていた頃の、私の作品を展覧してみよう。

With Medieval image

With Medieval image

With Medieval image

With Medieval image

N-1138
この最後のネックレスはごく最近のもの。
中途半端にいろいろ余った石を並べてみたら、中世風の色あわせだったので・・・。


最後に私の好きな中世音楽を一つ。 Stella splendens "Llibre Vermell de Montserrat"
-モンセラートの「朱写本」(14世紀スペイン、モンセラート修道院巡礼者の歌と舞踏)より「星よ、陽の光のように輝いて」




*少し今日ははりきりすぎたので・・・明日は休業。Have a nice day!!
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Chiswick (チズイック)、Londonの街

昨日はホメオパス、Danaさんの話で、Chiswick在住と書いた。このChiswickがなかなかフォトジェニックな地域なので、今日はここで撮った写真を展覧してみよう。

Chiswickは植物園で有名なKew Gardens(キュー・ガーデンズ)の川向い、同じThames(テムズ)川沿いの住宅地。
ショップやカフェが立ち並び、いつでも買い物客でにぎわうチズイック・ハイストリートは、地下鉄Turnham Green(ターナム・グリーン)のすぐそば。ここが「チズイック」なのだと、たいていは考える。現に、私とDanaさんもずっとそう思い込んでいた・・・彼女がフラット(アパート)をこの地区に見つけるまでは・・・。
そこもチズイックと呼ばれていて、しかし、A4高速道路を越した南側、高速道路とテムズ川に囲まれた三角地帯のようなところ。たまたま私もそのフラットのヴューイング(内見)に、カメラ持参で同伴していて、チャーミングなフラットが気に入っただけでなく、その周辺チズイック地区が、大いに気に入った。

Chiswick House
はじめて訪れたChiswick House
彼女のフラットから徒歩7-8分。彼女には自分の庭も同然・・・。
18世紀にBurlington(バーリントン)伯によって建造されたネオ・パラディアン様式の屋敷と庭園。
2月はじめ、イギリスの短い日が3時半には暮れかけようとしている。
夕日とコントラストを持たせて、シャドウのブルーを上げて、テクスチャーをかけた。

Chiswick House
建物自体を18mmの広角で。やはり、ブルーのカーヴをあげて。


Chiswick House Garden 06/02/10
庭園にはスフィンクスや、ローマンスタイルの彫像が立ち並ぶ。
背景のレイヤーにズーム・ブラーをかけて、スフィンクスをドラマティックにひきたたせる。


Statue @ Chiswick House Garden
すこしぽっちゃりしたローマ風彫像。
古典的様式の被写体のイメージに合わせて、左右対称におさめたかったのだが、
何かが邪魔して、真正面からは撮れない。
やや斜めから撮った画像をポストプロセスのパースペクティヴ調整で、左右対称に見えるように加工している。
典型的なデジタル写真のトリック。プロの方は簡単に見破るだろうな(笑)。


Chiswick House Garden
シャドウ部分のブルーを強調して、ライト部分のブルーを落とす(イエローを強調)。


ここだけでもすでに地域への好感度がはなはだUp。それだけでなく、彼女のフラットから庭園とは反対方向に歩いていくと・・・テムズ川が開けている。テムズ川沿いの遊歩道は、鉄道橋の下をくぐってStrand on the Green(ストランド・オン・ザ・グリーン)と呼ばれる、川沿いに美しい家の並ぶ地区へと続いていく。


Strand on the Green, Chiswick
Strand on the Greenの遊歩道の柳。ちょうど金色に芽吹き始めた頃。
イエローのカラーを強調。

Strand on the Green, Chiswick
テムズ川の水面に映える光を柳越しに。
左にかすかに見えるのは、キュー・ガーデンズに向かう列車の鉄橋。
19世紀に架けられたものなので、建造物としても美しい。

Chiswick railway bridge 29/01/10
これはその鉄橋の手前から見たところ。
右に見えるパブでランチを食べたが、古きよきパブのインテリアに、近頃のトレンドで料理も旨い。完璧。


Strand on the Green, Chiswick 06/02/10
このあたりのテムズ川は潮の満ち干の影響を大きく受ける。
(このもっと上流、Richmond(リッチモンド)に最初のLock(水門)があり、それより上流は潮の影響を受けないのだが・・・。)
ちょうどこのときは、引き潮で川にビーチが現れる。
近所の少年が魚を釣っていて、巨大な魚を釣り上げたところ。
スポーツ・フィッシングなので、重さを量って記録した後は、すぐまた川に返してやる。
ちなみに、7ポンドつまり、3.3kgだったそうだ。

Coming home...
どこからともなく、ボートを漕いで小父さんが現れる。
干潮のビーチにボートを付けて、舫うと、そのまま遊歩道沿いの家の一軒に帰っていった。
ここではボートは自転車。

Strand on the Green
そのStrand on the greenを別の日に撮ったもの。
周辺部のカラーを落として、セピア調、ノスタルジックなイメージで。
このときは潮は高い、ビーチは川に沈んでいる。

River Thames from Kew Bridge
同じくStrand on the greenをこれは、上のイメージと反対側、Kew橋から撮っている。
イギリスの冬の弱い日差しで、どんよりとした写真だった。
ポストプロセスでコントラストを上げると同時に、セピア調にトーンを落としてヴィンテージ・ポストカード風に。
鈍い写真しか取れなかったときの、苦肉の策。



こんなにフォトジェニックなチズイック、Danaさんもいることだし、また頻繁にカメラを提げて訪れることになるだろう。
reade more... Résuméabuiyad

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