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Le Château 箱彫刻家Peter Gabriëlse(ぺーター・ガブリエルザ) の家 -4-

箱彫刻家ペーター・ガブリエルザおじさんのLe Château より、今回はインテリア・レポート・・・というより、不思議な屋根裏空間の探索。

前回の最後、2階奥の物置の「秘密のドア」をあけると・・・というところからの話の続き。

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ドアの向こうには、木造の螺旋階段。
下は1階の裏出入口に繋がっていくのだが、この裏出入口は現在使っていないので、閉ざされている。
上は、前回書いた様に、
もともとは使用人の人達の居住空間だった屋根裏へと繋がっている。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 385
階段を上がったところは、広い空間になっていて、椅子が置いてあるのは18世紀後半のチャペルの再現。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 383
祭壇部分をクローズアップで。
このチャペル、ミラーやキャンドルなどは、ペーターおじさんのアレンジメントなのだが、壁画や祭壇自体は18世紀からここにあったもの。
フランス革命の後、革命政府は教会や宗教活動に対して、けして好意的ではなかった。教会自体「打倒すべき旧権力」とみなされるのは、いつの時代の革命でも同じこと。
礼拝や宗教儀式が公式に禁止されていたのかどうかまでは知らないのだが、革命以前のように盛大には行われなかったらしい。
破壊を逃れたこの屋敷を割り当てられた農民一家は、革命政府のお世話になったわけだが、それでも幼いときからの習慣・信仰を捨て切れるまでには革新的ではなかった。
当局の目を逃れて、礼拝や儀式を秘めやかに、この物置の裏の屋根裏部屋で執り行っていたものらしい。
現在は、ペーターおじさんが18世紀建造当初のドーマー窓を、屋根裏部屋に次々と復旧しているため、光にあふれた明るい空間になっているのだが、当初真っ暗だったこの空間。
ここの部屋にたどり着いて、トーチ越しに祭壇壁画を見つけた時の、彼のエキサイトぶりは考えただけでもワクワクする(笑)。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 382
その、チャペルのある部屋の反対側。
おじさんのベッドルームにあった、古ミラーのコレクションは、
当初薄暗かったこの空間を最大限に明るく見せるため、ここに移動された。
その奥に見える狭い階段は、最上階の屋根裏スペースへ繋がっている。

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これが階段の上から覗いてみたところ。
これは・・・建築家でもない限り、面白くもない風景だろうけど・・・(笑)。
木造の枠に直にスレートタイルが張り付けられている様子。
現代の家だと、木枠の下には、断熱材がしっかり詰め込まれる。
ここの場合、この屋根裏の床の上に、綿のように積み重なっているのが断熱材・・・ではないかな、と思う。
その昔は断熱材などないわけで、その下直の屋根裏部屋は、冬はかなり寒かったんだろうな。

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下の方の屋根裏部屋に戻って、古ミラーに映る階段の手すり。

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ミラーのかかっている壁の奥の部屋の一つ。
「奥」と書いたが、この部屋はシャトーの正面側に面している。
窓は復旧された3つのドーマー窓のうちの一つ。

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窓から正面門を覗いたところ。

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建物の端にあたる部屋。
物置兼ペイント部屋(?)として使われている。

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暖炉の上にかかっている、錆びた金属製のフラスコは、最初水筒なのかなと思っていた。
しかし、どうやら「湯たんぽ」や、小さいものは「ハンドウォーマー」だったのかもしれない。
ここが使用人クオーターだった頃からの名残なのかな・・・というのは私の想像。

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椅子とドアに、18世紀の壁紙のイメージをレイヤーコラージュしてみた。

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反対側の端部屋の暖炉。
さきほどの部屋の暖炉がシンプルな石造りだったのに比べて、装飾が施されている。

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同じ部屋にあった、カーテンの残骸。
もしかすると、この部屋は使用人頭、バトラー一家の居住空間だったのではないかなと、想像する。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 365
屋根裏空間の一角で発見された、18世紀のボトルがそのままの形で残されている。
ワインボトルか、あるいは、ノルマンディー特産のサイダー(りんご酒)のボトルだろうか?

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最後に18世紀のドアノブと鍵。
ペーターおじさんのYoutubeヴィデオを以前貼りつけていたのだけれど、「また見せて」というご要望が出たので再び貼っておきます。 「もう見たよ」の方はスルーしてください^^。



ペーターおじさんの箱彫刻作品数点が、9月27日~10月2日まで、London、Battersea Parkで開催中のThe Decorative Fairに、オランダから出展のGaby van Schagenのスタンドで(スタンドNo.80)展示予定。 ご興味の方は、ぜひどうぞ^^。
まだまだLe Châteauからのレポートは続くのだけれど、次回は先日お邪魔した、溝口あゆかさんロンドンカウンセリングコースでの、Kotomiジュエリー出張販売の様子。
そうです! 今年も参上しましたよ(笑)。
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Le Château 箱彫刻家Peter Gabriëlse(ぺーター・ガブリエルザ) の家 -3-

箱彫刻家ペーター・ガブリエルザおじさんのLe Château より、インテリアのレポートの3回目。

前々回<このページ>に出てきた階段を上がったところから、今回のお宅ツアーは始まる。

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階段のシャンデリア。乳白のガラスドロップは、ペーターおじさんのアレンジではないかな、と思う。

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階段を2階に上がって、右側のゲストルーム。

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は、こんな感じ。

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右下は、キャンドルを使った箱彫刻作品。

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割れたデルフト焼きの断片も、ディスプレイに生かされる。

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窓辺の椅子に、別の部屋で見つけた手紙の文字で、テクスチャー・レイヤーにしてみた。

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そのまた奥のゲストルームの暖炉。この暖炉は使われていない。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 312
その、奥の部屋を別の角度から。

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ドアの奥はバスルーム。

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ライティング・ビューローの上のディスプレイ。

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バスルームの中には、アンティークのガウンとパジャマ。
これも実用ではなくて・・・飾り物。

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階段からあがってきて、今度は左側。
ここは廊下状になっていて、小さな部屋が取られている。

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中は女性用の小部屋、だったと思われるもの。
なので、そのイメージでディスプレイされている。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 397
古い手流しガラス板のミラーの、不思議なテクスチャー。

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18世紀の手紙。

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この部屋を出た右側の、アンティークボトルのディスプレイ。

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その奥の部屋は、主に紙物の材料や、パーツが収納というか、展示というか・・・されている。

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部屋の真ん中の、大きなテーブルに展示。

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これは、18世紀の公式文書。手紙の最後にリボンがついていて、そこに蝋印が押されている。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 289
そして、チャーミングなオブジェ。

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この部屋の暖炉。

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暖炉の反対側の壁。
この部屋の置くにまた、小さな物置部屋がある。

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顔料やら、塗料やら・・・、

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アンティークの布やカーテンがしまいこまれているのがけれど・・・、

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そこから「秘密のドア」があって屋根裏へと繋がっている。
と、面白半分で書いたが、「秘密」なのではなくて、目立たないようにできているだけ。
というのも、18世紀の頃はこの奥で繋がっている、現在の物置部分はすべて使用人の仕事場。
主人一家や客人の寝室に薪をくべたり、お湯を届けたり、さまざまな仕事があるわけだが、それはすべてこの裏で繋がった通路を経由で行われる。使用人は「目に見えない存在」として働く・・・ということなのだ。
その彼らが寝起きするのが、屋根裏部屋で、この秘密のドアの奥の螺旋階段は、彼らのいわば通勤ルート。
18世紀後半のフランス革命で、この屋敷が取り壊されかかったのを、村の神父さんの説得で生き延びた話は、前回書いたと思う。
そのあと、農家の一家がこの屋敷を割り当てられて住み始めたわけだが、その段階では、もう「使用人区域」を保持する意味合いも、必要もなくなった。 なので、物置として使われていたが、やがて忘れ去られ、長い間封じられていたものらしい。
ペーターおじさんが購入した段階では、屋根裏への階段があることが解ってはいたが、実際に屋根裏部屋の100年以上の眠りを覚まさせたのは、彼自身なのだそうだ。
次回はその「秘密」の屋根裏部屋の展覧です。


ペーターおじさんの箱彫刻作品数点が、9月27日~10月2日まで、London、Battersea Parkで開催中のThe Decorative Fairに、オランダから出展のGaby van Schagenのスタンドで(スタンドNo. 19 訂正:80です。)展示予定。 ご興味の方は、ぜひどうぞ^^。
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Le Château 箱彫刻家Peter Gabriëlse(ぺーター・ガブリエルザ) の家 -2-

今回も、箱彫刻家ペーター・ガブリエルザおじさんのLe Châteauより、インテリアのレポートの2回目。

まず、余談からはじめてしまう・・・、これだけ美しくかつ、エキセントリック(奇妙?)な家に住んでいると、インテリア雑誌やアート本からの取材も、珍しいことではない。
2004年7月号のThe World of Interiors (ワールド・オブ・インテリアーズ)にも、このLe Châteauがフィーチャーされている。
U.K.発行のこの雑誌は、世界のインテリア雑誌の中でも、エレガントなクラシカル・テイストに特化していて、そのクォリティーはNo1。 
私も、80年代後半は定期購読していたのだが、90年代中頃に入って、トレンドがどんどんコンテンポラリー・ミニマリズムになっていった頃、さすがのWoIも特集がミニマリズム・インテリアに偏っていった。
古物好きにはこれが我慢できなくて、購読をやめていた。 近年また、クラシカルにトレンドが戻りつつあるので、気を取り直して、2年前から購読再開。
ペーターおじさんのフィーチャーは、よりにもよって・・・その、私が購読してない時期。本社のバックナンバーでも、古すぎて在庫なし・・・。
それでも「求めよ、されば与えられん!」・・・E-bay検索をかけたら出てきた!! そして無事入手。
Le Château in "World of Interiors" 2004 July issue- 1
Extracted from The World of Interior, July, 2004.
フランス革命の時に、明け渡されたこの屋敷を、革命軍は定例どうり焼き払う計画だった。
Saires-la-Varrerie村の神父さんの説得が成功して、中の調度品だけが徴収・破壊され、建物は生き残り、農場家屋して使用されるようになった・・・といういきさつから、「革命的執行猶予」というタイトルがついている。
このトップページは、今回展覧予定のペーターおじさんの寝室。
このときはまだ、古ミラーのコレクションが、ベッドルームにかためられている。(現在は改装中の屋根裏に移動。この様子もまた後日。)
額が3枚かかっている壁の、一番下は嵌め込まれたテレビ。ミラーでうまくカモフラージュされている。

Le Château in "World of Interiors" 2004 July issue- 2
Extracted from The World of Interior, July, 2004.
このときはまだ、タペストリーが入っていない。この風景画が、現在ベッドルームに移動した。

Le Château in "World of Interiors" 2004 July issue- 3
Extracted from The World of Interior, July, 2004.
リヴィングルームとキッチン(以下で展覧)。

Le Château in "World of Interiors" 2004 July issue- 4
Extracted from The World of Interior, July, 2004.
これは2階のゲスト・ルーム(これは、次回に・・・)。

Le Château in "World of Interiors" 2004 July issue- 5
Extracted from The World of Interior, July, 2004.
これも2階。実は少しカメラ・シャイなおじさんが、小さく写っている。



さて、ここからが本編、私の写真。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 336
キッチンのディスプレイ。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 338
ティーパーティーの翌日で・・・ちょっと散らかってるので、暗く撮ってごまかす(笑)。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 331
17~18世紀デルフト焼きのコレクション。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 332
プシャーのダイニング・コーナー。プシャーに・・・似てる、そっくり。

Peter's cat, Pussier- 412
と、いうので・・・ご本人(あ、ご本猫)。
彼はとてもフレンドリー。カメラを向けたら、寄る、寄る・・・。

Le Château - TTV - 519
お食事中を、TTV(ヴューファインダー越し)撮影。

プシャーの話ではなくて・・・家の話だった。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 330-2
バスルーム横の壁。 手紙やら、レーベルやらを古額に入れて、コーディネート。
また、余談:
真ん中の17世紀象嵌額は、ペアではなかったか・・・と思われる全く同じサイズ・デザインのものが、某ミュージアムのカタログに載っていて、びっくり!! だったそうだ。
これは、U.K.の「アンティークス・ロードショー」に、持ち込んでもらわねば!!と笑っていて、番組に話になった。
ペーターおじさんの本国、オランダでも、類似のアンティーク・ヴァリュエーション番組が放映されているらしい。
イギリス人は慇懃なので、ヴァリューするエキスパートは、大量に持ち込まれる「駄物」でも(私の持ち込むようなもののこと)「好きなのが一番いいことです。」と無難に持ち上げてくれる。
しかし、オランダ人は率直なので「これは、全くのクズです!何の価値もない!!」と、ひどくコキ降ろされるらしい。
(ちなみに、中国版は、持ち込まれた「まがいもの」は、その場で叩き割られるとか・・・笑。 これは、U.K.版の番組で言ってた話。)
だから・・・U.K.版にもちこみましょうってば・・・。閑話休題。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 357
ペーターおじさんの寝室。
階段のタペストリーの壁に、以前かかっていた樹の額は、ここに移動した。
(インテリア写真好きとしては、上のWoIの写真と見比べて・・・、とても・・・とても・・・広角レンズが欲しくなった。
危険なレンズの沼まで、後一歩。)

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 355
寝室の暖炉。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 359
の、ディスプレイ。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 351
寝室の窓辺。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 352
寝室の暖炉の上の装飾パネル。
ペーターおじさんが購入した段階では、すべての部屋の天井は、板材を入れて、ドアを開けられる限界の2m40cm程度に下げられていた(現在は約3m)。
これは、20世紀中頃に入ってから、農家の住人にとって、装飾に意味を見出すよりも、暖房効率の方が重要だったため。
彼が引っ越してきてから、この20世紀中頃に導入された壁や天井をすべてはがして、オリジナルの18世紀の状態に戻していった。
そのプロセスで、この暖炉の上の装飾パネルや、オリジナルの18世紀の壁紙などが、次々に出現。 古物好きのおじさんが熱中するのも無理はない。
一方、熱効率の方は現在はかなりよろしくない、と、思う。エコ・「アン」フレンドリーというもの。
しかし、ヨーロッパの年配の人たちは(うちの配偶者氏も含めて)、セントラル・ヒーティングのない状態で育っているので、寒さにはめっぽう強い。
寝室には、裏のリヴィング・ルームのログ・ストーヴの熱が充分伝わるので、それと、他の部屋にはいくつかの移動式ストーヴで冬でも平気、だそうだ。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 350
寝室の奥の、書斎。

Le Chateau - Interior
撮影:noriko.stardust @Flickr
の、ディーティールは、運転手として同行のnoriko.stardustこと、Danaさんが見事にキャプチャー。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 345
書斎の古鏡。

Le Château, Peter Gabriëlse's home - 346
書斎の棚の上。

次回は、2階のゲスト・ルームを展覧予定。


ペーターおじさんの箱彫刻作品数点が、9月27日~10月2日まで、London、Battersea Parkで開催中のThe Decorative Fairに、オランダから出展のGaby van Schagenのスタンドで(スタンドNo. 19 訂正:80です。)展示予定。 ご興味の方は、ぜひどうぞ^^。
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