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Westminster Cathedral (ウエストミンスター大聖堂)

昨日入院中のペーターおじさんとTelで話しをした。ずいぶん元気そうな声に、ひとまず安心。
しかしまぁ、お歳もお歳だし、無理しないように、ゆっくり休んでいていただきたいもの。
日ごろ元気なおじさんは、次々プロジェクトを思いついて、どうやらじっとしていられない傾向があるので、自重、自重ですよ!!

標本箱、今回は、この前の庭園博物館<このページ>の後に、ぶらぶら歩いていったWestminster Cathedral (ウエストミンスター大聖堂)のイメージ。

あまりにも、あまりにもWestminster Abbey(ウエストミンスター・アベィ)の方が有名なので、その陰に隠れてしまっている・・・というか、下手をすると・・・間違って訪れる観光客もあり、という少しマイナーな教会。
しかし、観光中心になってしまっている英国教会のアベィと違って、ここはローマン・カトリックの大聖堂で、今でも礼拝に訪れる人の絶えない、信仰の中心「生きている教会」という印象がある。
個人的に昔からこの大聖堂がとても気に入っている。
19世紀末期のJohn Francis Bentley(ジョン・フランシス・ベントレー)設計の建築が、あまり例を見ない「ビザンティン・リヴァイヴァル」だ、ということが最大の理由。
この教会の発注を受けたジョン・フランシス・ベントレーは、ビザンティン・リヴァイヴァルの様式を採ることに決定して、ヴェネチアのSt Mark's Basilica(サン・マルコ寺院)にリサーチに赴いた。その後、イスタンブールのHagia Sophia(アヤソフィア、または、ハギア・ソフィア大聖堂)に向かう予定だったのだが、彼の健康状態とイスタンブールでのコレラ流行のために断念して、英国帰国、そのまま設計に携わったといわれている。
それでも、この教会に入るとアヤソフィアに入ったかのような印象を受けるのは、各チャペルのドームを彩る華やかなモザイクのため。
実際には全天井ドームをモザイクで飾る計画だったのだが、予算不足とベントレーの病没で実現せず、かろうじていくつかのチャペルのモザイク天井が、彼の残したスケッチを元に後年完成したのだそう。



Westminster Cathedral
まずはその外観。外観は北イタリアの建築様式からの強い影響を受けている。
イタリアだと、色のコントラストを持たせた大理石で構成するのだけれど、
イギリスでは石とレンガで置き換えられている。ここの場合コンクリートも使われているそう。
地上64mのタワー展望フロアにも登れるのだが(有料)、今回は時間がなかったのと、
ちゃんと・・・高所恐怖症気味だったことを思い出して、登らなかった。学習した(笑)。

Westminster Cathedral
エントランスを入ったNave(身廊)部分。
ギャラリーから下は大理石張りで装飾されているが、天井ドーム部はレンガ造りの未完のまま。
Stations of the Crossは、
(十字架の道行き=キリストの生涯の中の14シーンをを描くパネル。
カトリックの儀式で礼拝される。)
Eric GIll(エリック・ギル)の初期の作品。<ディティールはこのページに

Westminster Cathedral
祭壇上のbaldacchino(天蓋)は、11mを超えるもので大理石造り。
ビザンティン様式の巨大なクロスが宙に浮かんでいる。

Westminster Cathedral
そのディティール、聖ヨハネの鷲。

Westminster Cathedral
このヴィジョン・・・ここがロンドンであることを忘れてしまいそうになる。

Westminster Cathedral
天井が金モザイクで覆われなくて、ダークなまま残されているのが、
よりいっそう光を引き立たせている。

Westminster Cathedral
一方翼廊のチャペルの天井はモザイクで覆われている。
これは向かって右側のThe Lady Chapel


Westminster Cathedral
これも・・・ロンドンにいるとは思えない。

Westminster Cathedral
同じくThe Lady Chapel。
Nave(身廊)部でもそうなのだが、ライティングがいかにもビザンティン様式。

Westminster Cathedral
向かって左側の、Blessed Sacrament Chapelは天井画で彩られている。
これも初期ロマネスク様式を髣髴させる。

Westminster Cathedral
入り口を入ってすぐの右の翼廊にある、
The Chapel of St Gregory and St Augustineのモザイク画。

Westminster Cathedral
と、そのペンダント・ライティング。

Westminster Cathedral
これも右翼廊の、Chapel of St Paul
大理石モザイクのフロアが目を惹く。

Westminster Cathedral
その主祭壇の上の「ご本尊」。礼拝時以外は閉じられている。
扉自体が美しいのだけれど・・・。

Westminster Cathedral
左翼廊にあったモザイク。ジャンヌ・ダルクかな?

Westminster Cathedral
ロマネスやビザンティン様式では、ステンドグラスはまだない。
もっと後年のゴシック様式になってからのもの。
なので、ビザンティン・リヴァイヴァル様式でもステンドグラスは使われていない。

Westminster Cathedral
最後にThe Sanctuary 横の大理石造りの、ギャラリー部。


Westminster Cathedral (ウエストミンスター大聖堂)

地図:

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写真撮影禁止マークが入り口には付いているのに出るときに気づいたのだが、実際にはミサが行われていなければ、特に注意はされないよう。(関係者に確認はしていないけれど。)ただし、「生きている信仰の場」なので、一日に何度もミサが行われている。平日の2時から5時ぐらいが、まだしも何もない時間帯かもしれない。<ミサのスケジュールはこのページ
ミサに重なってしまったら・・・、撮影はあきらめて、それでもおとなしく座っている価値があるのは、ここのクアイアがずばぬけてすばらしいから。
なので・・・おまけヴィデオ、2009年のMidnight Massより。





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