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Maison Artefact (メゾン・アーティファクト)-アンティーク・インテリア・ショップ

まずは、ちょっと余談・・・。
インターネットはブロードバンドを使っているのだが、U.K.の「ブロードバンド」の概念は、日本のそれと、どうやら違うらしい。
日本ではファイバー・オプティックラインのことを、「ブロードバンド」というのだ・・・と、聞いたことがある。
U.K.は激しく古い(下手すると50年以上古いかも・・・な、ヴィンテージの)、電話線にルーターを付けて、電話とインターネットに分けているものを「ブロードバンド」と称している。
つまり、単に電話とネットが同時に繋がるけれど、同時に繋がるというだけで、特に速いわけでもない「ナロー・バンド」。
ようやく、近頃少しずつ日本で言うところの、「ファイバー・オプティック」が普及してきて、ごく最近うちの通りにもやってきた。
そこで、さっそく切り替えようと試みたのだが・・・Telでカスタマーサービスのたらいまわし。
サービスセンターはたいていインドなので、ネイティヴ英人でも苦情続出の、インドなまり英語と30分以上電話でやり取りして、やっと話が通じた・・・。で、「28日以内には、手続きができるはず」という、気の長い話。
こっちで暮らし始めた頃は(そもそも、そんな英語と電話でやり取りできなかったし)、「どれだけ待たすのか!?」とイライラしたものだが、なんだか、なにごとも、だんだんどっちでも、どうでもよくなってきているのは・・・、私が英人化したということなんだろうな(笑)。 
いやいや、無事ファイバー・オプティックで、ガンガン写真を快速Uploadできるようになったアカツキには(ま、夏にはね)、また報告しますよ: 閑話休題。

そんなロンドンなのだが、日常のスカタン(これ関西弁だよね?)・不器用・不条理を補って余りあるのが、スタイルと美意識のある、モノ・場所・人に出会うこと。この出会いために、私は存在する、と思える時。
最近また、ステキなアンティーク・インテリア・ショップを発見。
西ロンドンのFulham(フルム)にある、「Maison Artefact (メゾン・アーティファクト)」。
スタイルとしては、フレンチ・シャビーシックで、ロンドンでは「新世代」のアンティーク・ディーラー。
イギリス特有の重い・暗い・メンズっぽいアンティークが、コンテンポラリー・ブームの2000年ごろにとことん下火になって、かなりたくさんの業者が去っていった。
その後を埋めるように、あるいは、新たに世代交代して、今一番元気がいいのが、ここのような、軽いフレンチ~コンチネンタル・スタイルの、フェミニン、エレガントなアンティーク/ヴィンテージ。
言葉を尽くすより、まずはヴィジュアルで・・・。

Maison Artefact
間口は狭いけれど、奥行きのあるお店は、フレンチやスカンジナヴィアのペイント家具で埋めつくされている。
使い込まれたようなテクスチャーのある、明るい色目のペイント・・・というのが、
このフレンチ・シャビー・シックのコアになるアイテム。

Maison Artefact
入り口から見たところ。
右手のブルーのテーブルの天板は、アンティークの看板が使われている。

Maison Artefact
このスタイルにあうセラミックは、クリーム地のフレンチ・セラミック。

Maison Artefact
小さな子供靴をインテリア・デコーに取り入れるセンスは、女性オーナーならでは。

Maison Artefact
シャンデリアも人気急上昇。とてもよく見かけるようになった。

Maison Artefact
ペーターおじさんのシャトーでも、おなじみの、裏の水銀張の剥げた鏡。
英語ではDistressedとか、Foxed Mirrorとか呼ばれて、コンディションのいいものより逆に人気がある。
ここでも、オーナーのVictoria(ヴィクトリア)さんが、
水銀張ガラスのテクスチャーがお気に入りなので、いくつも取り扱われている。

Maison Artefact
その鏡に映るお店。
現代ものの鏡を酸で腐食させて、「フェイク」を作るやり方もあるらしいが(簡単ではない・・・らしい)、
古い手流しガラス特有の「うなうな」した感じは真似できない。
鏡に映っている、ドアの向こうは庭。ここにもガーデン用のアンティークが展示販売されている。

Maison Artefact
お店には、一階よりも広い地階がある。階段を降りたところには、石膏の彫像。
シャッター(鎧戸)を、壁や間仕切りのスクリーンとして使うと、インテリアが一気にコンチネンタル化。
そもそもはイギリスでは、このタイプのシャッターは使われないのですよ。
(窓の内側に、板を蛇腹式に折りたたむ、シャッターが付いていた。)

Maison Artefact
地階の奥の部屋に続く。

Maison Artefact
地階の奥には、ピューターの皿やら、貝のデコール。

Maison Artefact
同じく地階の一角。一階でもいくつも見かけたが、
引き出しやら、椅子やらにポチポチ赤丸スティッカーが付いているのは「売約済み」。

Maison Artefact
20世紀初期の頃の絵画もいくつか、扱われている。
色のトーンが、ここの店のインテリアのラインによくマッチしている。

Maison Artefact
外の「ガーデン部」にもまた鏡。これは、錆びた鉄のフレームに入った戸外用。
庭がけして広いとはいいがたいロンドン市街地の家では、
テラスにも鏡を入れて、少しでも広く見せる・・・というテクニークが使われる。

Maison Artefact
手前のセメント製にペイントされた白鳥は、フラワーポット。こんなものや、セメント製「キノコ」のような、
少しキッチュなヴィンテージ物を組み合わせていくのが、新世代のアンティークディーラーの提案。

Maison Artefact
デコラティブなフェンスやゲートは、庭にもインテリアでもよく使われるようになった。

Maison Artefact
これがお店の正面。今ドアを開けているのが、オーナーのVictoria Davarさん。
エレガントでとてもステキな女性。祖母、お父さんともにアンティーク・ディーラーで、彼女は3代目だとか。
パートナーのShane氏とともに、この店を運営している。


Maison Artefact (メゾン・アーティファクト)
273Lillie Road, London, SW6 7LL
地図:

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彼女の南ロンドンの自宅が、これまた、お店同様に美しくデコレーションされている。
と、いっても、「お宅訪問」したわけではなくて、この本に収録されているのを見たのだった。


Essentially French: Homes with Classic French Style - Josephine Ryan
ISBN: 978-1845979065

Amazon.U.K.では<このページ>、Amazon.JPでは<このページ>で販売されている。

中身をチラッとのぞくと・・・こんな感じ、



このお店のあるLillie Roadは、以前からアンティーク家具屋の並ぶ地区だったのが、ここと同じく、次々世代交代していって、今やトレンディなエリア。
次回は、ここの斜め向かいで、やはりフレンチ~スカンディナヴィア・スタイルに特化したお店を、もう一軒ご紹介予定。

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